「根拠に基づく医療(EBM:evidence-based medicine)」という言葉が用いられるようになり久しいです。専門誌や学会で公表された論文や臨床結果など客観的な根拠に基づき、最新最良の医学知見を用いるというものです。EBMが必要とされる理由は、習慣的に行われている治療法が患者にとって本当に有益なのか、術者や医療施設によって異なる治療方法が採用されているが、その科学的根拠はどのようなものかを検証する点にあります。
しかし、医療にはartとscienceの両面があります。科学的な根拠を基にするだけでなく経験に基づく臨床的な技量も必要です。さらに患者の皆様が受診したほうが良いと考えるにいたった気持ちへの配慮も必要です。
豊富な臨床経験と科学的根拠に基づく医療の双方を用い、常に患者本人のためを考えて努力し続けること。それが私たちの目指す歯科医療です。
ご自身で通院困難な方には訪問診療を行っています。永年通院された方が通院困難になった場合はもちろん、当院に通院したことがない方でもご自宅や施設にお伺いします。
みとりになった時「これでいい、あとはお迎えを待つだけです。先生ありがとうございました。」この言葉をいただけたならば私は歯科医師としての人生に悔いはありません。
人はどのような状態にあっても、その一瞬一瞬が人生そのものです。食べることは生きること。私たちはお口から食べれることの幸せをサポートしつづけます。